爪つきジャッキが上がらない?上昇不良の原因
爪つきジャッキが上がらなくなった!そんな時の原因とその特定方法をご紹介します。
爪部の確認
まずは爪部分が本体から外れるか確認してみましょう。これは上昇不良の原因がジャッキ本体にあるか爪部分にあるか確認するためです。
爪の頭部にボルトがあるので、それをはずし、爪を持ち上げて見てください。爪を持ち上げる際に引っ掛かりを感じたり、爪が抜けない時は、爪を取り付けているスライドに傷がついてかじっていしまっていることが上昇不良の原因と思われます。スライドがかじってしまった際はメーカーに修理を依頼しましょう。
爪が問題なく外れ、スライドに傷が付いていない場合、上昇不良の原因はジャッキ本体にある可能性が高いです。次はジャッキ本体の原因特定方法を見ていきましょう。
ジャッキ本体の確認
1.途中まで上がるけどラムがフルストロークしない場合
①安全弁が働いた
ジャッキの使用時に安全弁が働いた可能性があります。安全弁はジャッキに許容荷重以上の力がかかった時に作動する弁で、オーバーロードを防ぐ機能です。ワークがジャッキの許容荷重を超えていないか確認しましょう。
②作動油が不足している
作動油が足りていない可能性があります。作動油が規定量まで達していないと、シリンダ内に送り込まれる油の量も減少し、ジャッキがフルストロークしません。シリンダの伸びが悪いなと思った場合は、給油を行いましょう。
爪つきジャッキの給油栓方法はこちらから
2.ラムが動かない場合
①シリンダかじり
偏荷重がかかりシリンダ内部やラムシャフトに傷ができ、かじってしまった可能性があります。シリンダのかじりは修理不能になることも。メーカーに問い合わせて見ましょう。
②スチールボール抜け
ジャッキの機種によって、リリーズスクリュー部分にスチールボールが入っているタイプがあります。リリーズスクリューの緩めすぎによってスチールボールが抜け落ちてしまうとラムは上昇しません。スチールボールが機器内の油圧回路の弁の役割をしているので、スチールボールがなくなるとラムは上昇しなくなってしまうのです。スチールボールを再度入れることで復旧します。
③安全弁不良
オーバーロードを防ぐための安全弁にコンタミなどがつまり、正常に機能しない場合があります。そのような場合、回路内での作動油の吸い込み、吐出がうまくできず、上昇不良になる可能性があります。安全弁を交換することで復旧します。
④エアの混入
シリンダ内にエアが混入していると、ラムは上昇せずラムが浮き沈みする現象が発生します。エア抜きを実施することでエアが抜け正常に戻る可能性が高いです。エア抜きの詳しいやり方はこちらから
おわりに
今回は上昇不良の原因を紹介しました。上昇不良が発生した時にぜひ役立ててください。
それでは今日もご安全に!