重量物移設作業の相棒!保持台の特徴と役割
保持台とは、重量物をジャッキアップする時に使われるスペーサーのことです。
現場では、ウマ・下駄・盤木(バンギ)などと呼ばれることもあります。
「保持台ってなんで使うの?」「どんな保持台を選んだらいいの?」という疑問を持つ方もいらっしゃると思います。今回はそんな疑問にお答えしていきます!
保持台とは
冒頭でも少し書きましたが、保持台とは重量物をジャッキアップするときに使われる、スペーサーのことです。 現場では、ウマ・下駄・盤木(バンギ)・ライナーなどと呼ばれることもあります。ジャッキを使って重量物をジャッキアップする際に、重量物の下に出来た隙間を保持台で埋めていくことで、安定して重量物を保持するために使用されます。
では、なぜ保持台を使う必要があるのでしょうか?
保持台が必要な理由
①ワークの転倒・落下を防ぐため
何十トンもある重量物を持ち上げる重量物移設作業は、大きな危険を伴います。ジャッキを使って高く上げるほど、ワーク(=ジャッキアップの対象物)の重心は高くなり、非常に不安定になります。
このような不安定さにより、ワークの転倒や落下を防ぐために、ジャッキアップに併せて、ワークの下に保持台を挿入していくことで、万が一ジャッキに不具合が生じた場合であっても、保持台が重量物を支え、落下などの事故を防止してくれるのです。
実際過去に、大型工作機械のジャッキアップ作業中にジャッキが掛け外れ、機械が落下してしまうという事故が多数発生しています。
②長時間ワークの保持を行う
基本的に油圧式ジャッキはジャッキアップした状態での長時間保持は出来ません。油圧ジャッキは駆動源が油(作動油)、つまり流体であるが故に、長時間荷重かかった状態だと、シリンダ内からタンクへと作動油が戻っていしまい、沈下が生じてしまうのです。
このように長時間保持に不向きなジャッキを使用する際には、重量物の下に保持台を挿入し保持を行うことで、安定した状態での長時間保持が可能になるのです。
③より高くジャッキアップするため
大型のH鋼などを重ねて保持台を重ねて組んでいき、その上にジャッキを載せてさらにジャッキアップを行います。ジャッキ単体のストロークは100~200mm程度。保持台の高さを利用して、目的の高さまで重量物を揚げて行くことが出来るのです。
保持台の種類
アルミ製
■メリット 軽量のため持ち運びに適している。規格が揃っており、重量物の高さを合わせやすい。
■デメリット 重量物との接地面が滑りやすい。錆が発生しやすい
木材
■メリット 重量物をしっかりグリップできる
■デメリット 水分量により大きさ厚みにバラつきが出る。腐食やひび割れなどにより、現場を汚す可能性がある。
樹脂製プラスチック
■メリット 軽量コンパクト。グリップ性に優れている。
■デメリット 摩耗により破片が落ちることがある。